介護の現場

介護施設の事務長のつぶやき。施設内での出来事を中心に介護に関する情報を発信します。

介護施設の退職者を0名にした4つの具体的な方法

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 私の勤める介護施設の直近1年間の退職者が0名になりました。

介護職員だけでなく、看護職員、相談員、介護支援専門員、管理栄養士、事務員など

全ての職種で直近1年間の退職者が0名を維持しております。

大変嬉しい限りです。

 

元々、当施設は退職者が多く大きな課題でした。

特に2年前に近隣に新しい介護施設ができ、介護職員を中心に10名以上が引き抜きにあい、職員が大量に退職したため施設の経営自体が危ぶまれた時期がありました。

 

退職者が大量に発生し利用者数も半分程度まで落ちた際に、私は立て直しのため今から1年半前より異動となり現在に至ります。

 私が退職者を0名にするためにまず取り組んだのが、以下の4つの方法です。

 

介護施設の退職者数を0名にした4つの具体的な方法

①各部署の上長・所属長の見直しを行い管理能力の高いやる気のある人材に大幅入替えを行いました。

 

②次に人員の充足を図るために、新たに「職員紹介制度の導入」や「求人広告の出し方」など求人対策を根本的な部分より見直しました。

その後、半年で15名の介護職員を採用でき以前よりも人員体制を充実させることに成功しました。

 

③残っている職員の中で問題のある、トラブルメーカーである人物には辞めてもらいました。人員が少ない時こそトラブルメーカーは即座に辞めさせるべきだと思います。

 

④残った職員の給料をアップさせました。微増ですが大変喜ばれ一体感と私も信頼を得たように感じました。

 

退職した介護職員が戻ってきました

以上の4つの方法を行った結果、直近1年間の当介護施設の退職者が0名になりました。

特に③と④の効果は絶大であり大量退職した内の介護職員にもすぐに噂で伝わり

5名の介護職員が戻りたいと申してきました。

 

そんなこんなで、現在は看護職も介護職も他職種も全て充足しており

また以前よりも一致団結して施設運営ができており大変満足な状況です。

 記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう

介護施設の人員配置基準が少なすぎる

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介護施設の人員配置基準を2倍に

介護施設の人員配置基準を全て2倍くらいにした方が良いと以前から考えております。当施設は老健なので基準3:1ですが、とても少ないと日々感じております。

 

経営者側はこの基準に合わせてギリギリに配置しますので突発的な欠員発生時に他の職員がフォローしなければいけません。

そのため残業や休日出勤が増加するという負の連鎖を長年にわたり生んでおり、

看護、介護職員の離職の原因になっていると考えております。

 

 

介護施設の人員体制加算を新設してほしい

病院のように職員数を基準より多く配置した施設が算定できる新しい体制加算を法改正でぜひ作ってほしいものです。

 

介護施設で働く看護、介護職員の負担が大きく減り利用者へのサービスも充実すると思います。

また、日本の雇用政策にもなると思います。

介護保険関連の官僚及び政治家の皆さんにぜひお願いしたいです。

 

記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう

女性介護職員の離婚率・シングルマザー率が上昇

 

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女性介護職員の離婚率・シングルマザー率が上昇


統計をとっている訳ではないので、正確な数値は不明ですが

施設に勤務する女性介護職員の中で「離婚率」・「シングルマザー率」が

増加しております。

 特に直近2~3年前からを境に増加している印象であり、離婚を考えているとの

介護職員からの相談も増加傾向にあります。

 

介護職員の「離婚率」・「シングルマザー率」が増加する理由

あくまで私の個人的見解ですが、離婚率・シングルマザー率が増加する理由としては

以下の点が考えられます。

 

①介護職員の給与が上昇している

②売り手市場のため就職が容易になっている

③3交代勤務であり夜勤に多く入っている

 以下より説明していきます

①介護職員の給与が上昇している

まだまだ低いと言われておりますが、介護職員の給与はここ数年の間に

大きく上昇しております。

特に平成30年度の特定処遇改善手当の開始もあり、介護職員の給与は大きく

上昇しております。

 

実際に、当施設でも勤務10年程度の介護職員(一般職)は手当を合計すると

年収450万~500万円ほどになりサラリーマンの平均値程度を

十分に稼げるようになっております。

 結果、「自分1人でも生活できる」、「子どもを育てることができる」と判断する

女性を後押しする形になり、以前より考えていた夫との離婚に踏み切るケースが増加

しております。

 

②売り手市場のため就職が容易になっている

売り手市場のため長年、主婦をしており就職の経験が無い、または少ない場合でも、

比較的容易に正社員として就職することができるようになったことも要因と言えます。

 正社員として生活基盤が安定したことにより自信がつき、

以前より不満に思っていた夫を切り捨て離婚に踏み切るケースは特に多いです。

 

③3交代勤務であり夜勤に多く入っている

「夜勤専従」として勤務している介護職員の離婚率・シングルマザー率が非常に高い

傾向にあります。

生活時間のすれ違いや、仕事のストレスから喧嘩する場面が増え離婚したケースも

非常に多いです。

 

まとめ・私の見解

以上の3点を上げましたが、更にまとめると

「介護職として働く女性の収入が良くなり、1人でも生活できるようになったため、

関係性が悪い夫とは離婚し、新たな気持ちで人生を歩もう」と判断する女性職員が

増えたのではないかと考えております。

 

これは、看護師の離婚率が高い理由と同様であり、同じ傾向が今後も加速化していくと

予想しおります。

 多くの離婚・シングルマザーとなった職員は不安やストレスを抱えていると思うので

施設の事務方として出来る限り、法的手続きやメンタル面もケアし長く当施設で安心し

て働けるようサポートしていきたいです。

 

 記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう

介護職の転職と採用 / 採用となる面接

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採用となる面接


介護職の転職と採用 / 採用になる面接

私は約10年間、介護施設の事務長として介護職員の採用面接に携わってきました。

その経験から面接する側、採用する側の目線で私が介護職員を採用する際に

特に気をつけている面接時のポイントについて説明します。

 

介護職が採用になる面接

基本的に面接では以下の理由で採用にするポイントにしております。

 ※私の主観です

  1. 初対面の印象が良い(※超重要)
  2. 事前に施設のことをよく調べている
  3. 面接官に実務的な質問をする
  4. 資格取得やを上を目指す姿勢が見える

 

順番に解説していきます。

1.初対面の印象

  誰でも初対面の印象に大きく影響を受けます。

「最初に感じた直感=事実」となる確率が約6割以上であると言われております。

応募時の問い合わせ、面接の席に着く前、面接開始時のあいさつなどが

明るく、はっきりとした印象で受け応えをしてもらえると面接官も気持ちが良い

ものです。

また、服装、身だしなみも重要です。清潔で堅いイメージを持たせると非常に好印象を与え採用につながります。

 

2.施設のことをよく調べている

 その施設の種類、機能や規模(床数・定数など)はホームページなどで調べた上で応募した方が面接官に非常に好印象を与えます。

把握した上で、現在の職員数や夜勤体制など実務に係る質問をすると

「この人は仕事ができるな」と面接官に良い印象を与えます。

 

3.面接官に実務的な質問をする

 介護職として就職するにあたり給与面など雇用条件、通勤方法、異動の有無、施設内

の人間関係、残業の有無などなど、たくさん聞くべき内容があるはずです。

また、できるだけ面接の時間内で質問することをオススメします。

できれば、事前にメモなどで質問事項を箇条書きにし順に質問すると、

面接官は「この人はきっちりしているな。仕事できる人だな」

と、好印象で良い結果となるでしょう。

 また、前職の経験を踏まえ、比較しながら質問すると良い印象を受けます

 

例:前施設では夜勤の人数は4名だったが、この施設では1回何名体制で、一人当たり月何回程度ありますか?

 

などと質問すると自身の経験もアピールでき、また面接官は他の施設の情報に興味が

ありますので良いコミュニケーションが取れるようになります。

 

4.資格取得や上を目指す姿勢が見える

まだ「介護福祉士」の資格を持っていない方は、「今年、実務者研修を修了し来年度受験予定です」などの取得の意向と予定を述べると良いでしょう。

また、他の介護職に係る資格に関しても研修など受講予定があればアピールすると良いでしょう。

とにかく前向きで向上心のある姿勢はアピールになり面接官にとても良い印象を与えますので準備しておくと良いでしょう。 

 

以上が、介護施設の採用となる面接でした。

介護施設の採用する側の本音を言えば、

「トラブルを起こさず、長く勤務してくれる方」を常に求めております。

この部分さえアピールできれば超売手市場の介護職に関しては難なく採用されると思います。

現在、介護職で転職をお考えの方はよくご自分をチェックしてから面接に臨んでいただければ幸いです。

 

 記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう

介護職の転職と採用 / 不採用となる面接

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不採用となる面接


介護職の転職と採用 / 不採用となる面接

私は約10年間、介護施設の事務長として介護職員の採用面接に携わってきました。

その経験から面接する側、採用する側の目線で介護職員が面接で不採用とされる

ポイントについて説明します。

 

 

介護職が不採用になる面接

介護職の面接だけでなく、一般的な企業の面接にも共通して言えることかと思いますが

基本的に面接では以下の理由で不採用にすることが多々あります。

 

  1. 身だしなみが適切ではない
  2. 面接を受けている施設がどうのような施設なのか把握してない
  3. 面接官に質問をしない
  4. 自己中心的な質問、要望が多い
  5. 前職場の悪口を言う

 

 

順番に解説していきます。

 

1.身だしなみが適切ではない

 介護職は利用者へ向けた接客・サービス業であるため身だしなみは重要です。

特に「奇抜な髪色、髪型」、「長い爪」、「不潔な服装」、「無精ひげ」などは

理由はどうあれ不採用にしてます。

というのも、利用者本人・利用者家族から間違いなくクレームの元になりますし

真面目な既存の施設職員からも認められず施設内の不協和音の元になると考えます。

やはり面接に行く前に整えて行くのがベストでしょう。

 

2.応募した施設がどのような施設なのか把握してない

 初めて介護施設に就職する方ならまだしも、10年以上介護施設の勤務経験がある

方でも例えば「特養」→「老健」や「有料」→「通所」など業態が違う施設を

選択し転職を希望しているにも関わらず、その施設がどのようなサービスを提供する

施設なのか全く把握していない場合があります。

その場合、面接官は「この人はどこの施設でも良いと考えている。当施設のことは軽く

見られている」と捉え不採用にすることがあります。

全てを把握する必要はありませんが、その施設の機能や規模(床数・定数など)は

ホームページなどで調べた上で応募した方が面接官に好印象を与えます。

 

3.面接官に質問しない

 介護職として就職するにあたり給与面など雇用条件、通勤方法、異動の有無、施設内

の人間関係、残業の有無などなど、たくさん聞くべき内容があるはずです。

また、面接官も忙しい時間を割いて面接しているため、できるだけ面接の時間内で質問

することをオススメします。できれば、事前にメモなどで質問事項を箇条書きにし

まとめて質問すると、面接官は「この人はきっちりしているな。仕事できる人だな」

と、好印象で良い結果となるでしょう。

 

4.自己中心的な質問、要望が多い

 3で挙げた「質問をする」を超えて面接館に自分の要望ばかりを述べてしまう方がおります。勤務の時間や曜日の指定、給与金額など範囲内の要望であれば喜んで聞きますが、

施設側の元々あるルールを超えた要望を訴え納得がいかずに不機嫌になる方も中にはおります。

 

実際にあった例:

①資格取得にかかる交通費や取得費などすべての費用を施設が負担し、更に資格の取得に係る講習などの日は勤務扱いにしてほしい。

②以前勤めていた施設の良いところ(休日数、手当など)は全て同じに合わせてほしい

 

と、かなり無茶苦茶な要望を出してくる方もおりました。

基本的には他の既存職員との兼ね合いがあるためイレギュラーな存在は認めたくないの

が採用側の本音です。質問をすることはとても良いですが求人票などに記載されている

内容を超える要望などは控えるのが良いでしょう。

 また、求人票の内容をよく理解した上で施設側に委ねる姿勢を見せるとより

面接官に好印象を与えます。

 

5.前職場の悪口を言う

私は面接の際に必ず前職を退職した理由を聞いてます。

その中の理由で「給与が安かった」,「人間関係が悪かった」,

「通勤に時間がかかった」など前職場のネガティブな要因を挙げる方が多いですが

これくらいは一般的な意見であり、むしろ素直にお話しをしていただけて

ストレートで素直な方だなと、私は良い印象を受けることが多いです。

しかし、中には上記以上に前職場のことを大変悪く言う方がいます。

更にひどい方になると実際の個人名や役職名を挙げて批判を繰り広げる方がいます。

こういった方は残念ながら不採用にしてます。

なぜなら、こういった方は入職後に常に何かに対して不平不満を漏らし

必ず他の職員とトラブルになる可能性が高くトラブルメーカーであると

経験上、判断するからです。

また、もし採用したとして退職した後に前施設と同じように当施設の内情や

悪口などを言われネガティブな噂が広まるリスクが高いと判断し採用をお断り

するでしょう。

 

以上が、介護施設の面接で不採用にする理由でした。

介護職員は、人手不足から「売り手市場」となっております。

しかし施設の「人手不足」を理由に誰でも良しとして採用すると必ず

入職後大きなトラブルとなって運営側が痛い目を見ます(※多数、経験済)

ひどい時には、1人のトラブル職員を理由に10名以上の職員がまとまって

退職となるケースもありますので面接には時間と労力をかけ慎重に対応しております。

 

 記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう