介護職の転職と採用 / 不採用となる面接
私は約10年間、介護施設の事務長として介護職員の採用面接に携わってきました。
その経験から面接する側、採用する側の目線で介護職員が面接で不採用とされる
ポイントについて説明します。
介護職が不採用になる面接
介護職の面接だけでなく、一般的な企業の面接にも共通して言えることかと思いますが
基本的に面接では以下の理由で不採用にすることが多々あります。
- 身だしなみが適切ではない
- 面接を受けている施設がどうのような施設なのか把握してない
- 面接官に質問をしない
- 自己中心的な質問、要望が多い
- 前職場の悪口を言う
順番に解説していきます。
1.身だしなみが適切ではない
介護職は利用者へ向けた接客・サービス業であるため身だしなみは重要です。
特に「奇抜な髪色、髪型」、「長い爪」、「不潔な服装」、「無精ひげ」などは
理由はどうあれ不採用にしてます。
というのも、利用者本人・利用者家族から間違いなくクレームの元になりますし
真面目な既存の施設職員からも認められず施設内の不協和音の元になると考えます。
やはり面接に行く前に整えて行くのがベストでしょう。
2.応募した施設がどのような施設なのか把握してない
初めて介護施設に就職する方ならまだしも、10年以上介護施設の勤務経験がある
方でも例えば「特養」→「老健」や「有料」→「通所」など業態が違う施設を
選択し転職を希望しているにも関わらず、その施設がどのようなサービスを提供する
施設なのか全く把握していない場合があります。
その場合、面接官は「この人はどこの施設でも良いと考えている。当施設のことは軽く
見られている」と捉え不採用にすることがあります。
全てを把握する必要はありませんが、その施設の機能や規模(床数・定数など)は
ホームページなどで調べた上で応募した方が面接官に好印象を与えます。
3.面接官に質問しない
介護職として就職するにあたり給与面など雇用条件、通勤方法、異動の有無、施設内
の人間関係、残業の有無などなど、たくさん聞くべき内容があるはずです。
また、面接官も忙しい時間を割いて面接しているため、できるだけ面接の時間内で質問
することをオススメします。できれば、事前にメモなどで質問事項を箇条書きにし
まとめて質問すると、面接官は「この人はきっちりしているな。仕事できる人だな」
と、好印象で良い結果となるでしょう。
4.自己中心的な質問、要望が多い
3で挙げた「質問をする」を超えて面接館に自分の要望ばかりを述べてしまう方がおります。勤務の時間や曜日の指定、給与金額など範囲内の要望であれば喜んで聞きますが、
施設側の元々あるルールを超えた要望を訴え納得がいかずに不機嫌になる方も中にはおります。
実際にあった例:
①資格取得にかかる交通費や取得費などすべての費用を施設が負担し、更に資格の取得に係る講習などの日は勤務扱いにしてほしい。
②以前勤めていた施設の良いところ(休日数、手当など)は全て同じに合わせてほしい
と、かなり無茶苦茶な要望を出してくる方もおりました。
基本的には他の既存職員との兼ね合いがあるためイレギュラーな存在は認めたくないの
が採用側の本音です。質問をすることはとても良いですが求人票などに記載されている
内容を超える要望などは控えるのが良いでしょう。
また、求人票の内容をよく理解した上で施設側に委ねる姿勢を見せるとより
面接官に好印象を与えます。
5.前職場の悪口を言う
私は面接の際に必ず前職を退職した理由を聞いてます。
その中の理由で「給与が安かった」,「人間関係が悪かった」,
「通勤に時間がかかった」など前職場のネガティブな要因を挙げる方が多いですが
これくらいは一般的な意見であり、むしろ素直にお話しをしていただけて
ストレートで素直な方だなと、私は良い印象を受けることが多いです。
しかし、中には上記以上に前職場のことを大変悪く言う方がいます。
更にひどい方になると実際の個人名や役職名を挙げて批判を繰り広げる方がいます。
こういった方は残念ながら不採用にしてます。
なぜなら、こういった方は入職後に常に何かに対して不平不満を漏らし
必ず他の職員とトラブルになる可能性が高くトラブルメーカーであると
経験上、判断するからです。
また、もし採用したとして退職した後に前施設と同じように当施設の内情や
悪口などを言われネガティブな噂が広まるリスクが高いと判断し採用をお断り
するでしょう。
以上が、介護施設の面接で不採用にする理由でした。
介護職員は、人手不足から「売り手市場」となっております。
しかし施設の「人手不足」を理由に誰でも良しとして採用すると必ず
入職後大きなトラブルとなって運営側が痛い目を見ます(※多数、経験済)
ひどい時には、1人のトラブル職員を理由に10名以上の職員がまとまって
退職となるケースもありますので面接には時間と労力をかけ慎重に対応しております。
記:介護の現場ブログ かいごのじむちょう